細き川に溺れたい

   Volo equitare in unda FOSOCAUA... 細川家に関する独り言を綴るだけ

熊本県立美術館「再発見!ジモトアート」展に行ってきた


(予期せず)「美の旅」展に行った結果、好きな画家であるマグリット作品に出会えた記事を書きました↓
https://hohshoy.hatenablog.com/entry/binotabi_kumamoto_tokyofujiartmuseum

今回は本題の「雅」展の方!!

と、思いきや(笑)

その前に「再発見!ジモトアート」展にも行ってきたので、今回はそちらのレポ。
なかなか本題の展覧会にたどり着かないwww

さて、予期せずマグリット作品に出会えてテンション爆上がったまま。
熊本県立美術館本館の2階で開催されていた「再発見!ジモトアート」展に移動しました。

もうすでに、入り口のこのビジュアルで興奮しますよね(鼻息荒く)

細川家の九曜紋、真ん中に細川忠利を配し、その周りの8つの円に美術館のコレクションを配す。
いいですねぇぇぇ!!!!!

今回の展覧会では、熊本にゆかりのある所蔵品を紹介されていました。
桃山時代〜〜平成初期の作品まで。
私が一番興味があるのはもちろん、細川家に関わるもの!
第1章「殿様からはじまる熊本の美術」にまとめられていました〜〜

写真撮影OKだったので、気になったものをいくつかご紹介。

「細川忠利像」

まずはメインビジュアルの真ん中にいる肖像画
こちらは細川家の御用絵師である矢野三郎兵衛吉重によって描かれたもの。
彼は、山口の雲谷派に学んだ絵師だそうで、小倉時代から細川家に仕えていたらしい。
この肖像画以外の確かな遺例は伝わっていないのだとか。
忠利って幼顔というか、可愛らしい顔をしてますよねぇ。
幽斎→忠興という遺伝子の流れとは異なるものを感じるので、たぶん、明智玉(ガラシャ)の遺伝子が強いのかなって、勝手に想像しています。
細かなことにも神経を配りそうな顔してるよね。

象嵌暦手水差」


八代焼の水差。この文様がなかなか面白いなぁと。
派手さはないけど、シンプルな上品さを感じました。

「栗色漆塗鞘刀拵」

細川忠興(三斎)考案したとされる「肥後拵」のスタイルを踏襲しているもの。
しぶいぃ〜〜〜〜〜!!!
そしてこの3つに並んだ九曜紋がとんでもなく可愛い。何この可愛さ、最高か。

細川重賢による「七言二句」


肥後の鳳凰とも称される8代の細川重賢が自ら詠んだ詩を書したもの。
書かれているのは<鴻雁清秋遊子意 梧桐白露故園情>
旅をしているうちに季節が移り変わってしまったけど、せめて正月は一家揃って迎えたい
という意味らしい。
重賢とその正室である由婦とのエピソードは以前記事にしました↓
肥後の鳳凰・細川重賢と由婦夫妻の可愛い話 - 細き川に溺れたい
この詩を読んでも、重賢が家族を大切にしてたってわかりますなぁぁ。

「瓢箪鯰透鐔」


宮本武蔵が作ったと伝わる鐔。
ちょっと写真が良くないので見えづらいですが、右上側に瓢箪が、左下側に鯰があしらわれている。
「瓢箪で鯰を捕らえるにはどうすればいいか」という禅の公案にもとづく画題だそうな。

「松に虎・竹に虎図屏風」


ハイきました!!!!!!
三斎が下絵を描き、先ほど出てきた矢野吉重が彩色をしたと伝わっている屏風です!!!
さらっと文化的な側面を見せつけてくる三斎、さすがだぜぇぇぇ!!!

金具にも九曜紋がじゃんじゃんあしらわれていて、興奮しますねぇぇ!!

「二大字「江湖」・滝図」


これ!!今回の展示で一番テンションが上がりました!!!
8代の細川重賢による書と、10代の細川斉茲による絵画の対福なんだそう。
こんなのあったんだぁぁ!!!
当初から対福として制作されたのかは不明ながら、斉茲は重賢のことを尊敬していたらしく、重賢の書に寄せて斉茲が絵を描いた可能性もあるらしい・・・!!なんそれ滾る・・・!!

と、いうことで、今回はお写真多めでお送りしました。
肥後の地で、細川家に伝わってきたゆかりの品を観られる贅沢よ・・・
そして新たに知る事実もあり、本当にこういう展覧会はありがたい!
九州まで簡単には来られないですけど、今後も素敵な展示をお願いします!!