「壽光院」と「寿光院」とついでに「光寿院」

津々堂さんのブログのこの記事によると、清原/舟橋家の界隈に「壽光院」「寿光院」という法号を持つ女性が2名？おり、それぞれ幽斎さんの「姉」と「兄弟（ママ）のように育った者」だそうな。

佐々木越中守に嫁いだのが幽斎さんの姉の「壽光院」とのこと。
で、「清原枝賢女で六角義賢（承禎）の室となった寿光院」というのが、幽斎さんと「きょうだい」のように育てられた・・・・ふむふむ・・・

三淵晴員のWikipedia情報を見ると、佐々木越中守の側に関する注記として、高島氏の嫡流が佐々木越中守を名乗っていると載っている。
ただ、ちょ～～っと気になるなって思うのは、これもWikipedia情報だけど、六角義賢（承禎）の息子である六角義治という人物が、信長との争いで六角家が落ちぶれたとき（？）佐々木（次郎や義堯）と名乗っていたっぽいこと。

インターネットでの表面的な知識だけど、六角家は宇多源氏佐々木氏の流れをくむとされている。
で、文書上では六角氏の人であっても「佐々木＋官途名」と出てくることもあるらしい。
なので、高島氏ではなく、六角氏の佐々木越中守ってのもあり得る？？？？

つまり、具体的に誰に嫁いだのかは不明だが、六角家に嫁いだ「壽光院」と佐々木家に嫁いだ「寿光院」って、六角家＝佐々木家とするなら、もしかして同一人物だったりしない？？笑
つまり、幽斎さんの実姉ではなく、「きょうだい」のように育った清原枝賢の娘が六角＝佐々木家に嫁いで、それが「寿/壽光院」という法号だった？？？

ところで。
津々堂さんのブログにはこのような記事もあって。

ここで出てくる「壽光院」は「勧修寺晴豊の妻」であり、「土御門有脩の娘で修子」であり、「佐久間安政の正室・光寿院の母」とされている・・・
おおお・・・・？まさかの「光寿院」まで出てきた？笑

実はこの吉原氏の論考でも出てくる慶長日件録の全く同じ記事（慶長十五年六月十五日）は、今度紹介したい論文（日向志保, 「ガラシャ改宗後の清原マリアについて」および「清原マリアと細川家」）でも触れられているのだけど。
日向氏の論文ではこの「壽光院」は「清原いと」のことだと論じられているんだよなぁ(笑)
清原いとは清原枝賢の娘と言われていて、最初に触れたブログ記事だと「幽斎さんときょうだいのように育った」方の女性ではないかと思われる・・・
ただ日向氏の1本目の論文末尾に載っている系図では、「清原いと＝マリア＝壽光院＝勧修時晴豊室カ」ともなっているのだ。
さらに2本目の論文で、おそらく清原いとは勧修寺晴豊と婚姻関係にはなく、宮中に勤めていた時のつながりで子ができたのでは、と検討されていた。
なので「土御門有脩の娘で修子」という情報以外は吉原氏の論考と日向氏の論文と、両方当てはまっているっぽい。
し、おそらく「壽光院＝清原いと」の方があり得そうかな？

勧修寺晴豊のWikipediaを見てみると、正室は土御門有脩の娘と出てくる。
けど「生母不明」の子どもとして「女子：佐久間安政継室」とあるので、この不明となっている生母が清原いとってことでしょう。
ちなみに、土御門有脩の娘と兄弟である土御門久脩には幽斎さんの妹（三淵晴員の娘）が嫁いでいるんですよね。
つまり、清原家ネットワークの中の縁組みって感じではあるのかも？

しっかし、麝香さんの法号が「光寿院」であることも含めると、みんなこんな似たような法号ばっかりになっちゃうのなんでかなぁ(苦笑)

とりあえず、情報を整理。

＜壽光院/寿光院と名を持つ人＞
細川幽斎の(実？)姉（つまり三淵晴員の娘？）　→　佐々木越中守の側
細川幽斎ときょうだいのように育った清原枝賢の娘　→　清原いと（マリア）、勧修寺晴豊との間に子をなす？、六角義賢（承禎）の室？、佐久間安政の正室（継室？）の母
土御門有脩の娘　→　修子？、勧修寺晴豊の正室、佐久間安政の正室（継室？）の母？