細き川に溺れたい

   Volo equitare in unda FOSOCAUA... 細川家に関する独り言を綴るだけ

京都国立博物館「京に生きる文化 茶の湯」展に行ってきた


11月某日、午前中に家族のリクエストで東寺の特別拝観に行った後、京都国立博物館の特別展「(みやこ)に生きる文化 茶の湯」展に行ってきました。

午前中の東寺もなかなか楽しめました。
家族の目的は五重塔初層だったのですが、これがまたすごかった。
今見ても鮮やかな色が残っている部分があるのですが、できあがった当初はどれほどの色彩だったのか想像するとさらに圧倒されちゃう感じ。
観智院には宮本武蔵作と伝わる絵が残っていました。
ただ、まぁ、ホラ、私にとって宮本武蔵は彼そのものが魅力的なのではなく、細川家とつながりがあると気になる存在というふうに変わる感じなので、before細川時代(20代とか若い頃に東寺とつながりがあったらしい)の武蔵については、ね・・・(なんという失礼な言い分w)
生憎の天気でしたが、寺内は紅葉もわりと進んでいて京の秋を感じることができました。

で、キョーハクの方について!
細川クラスタの皆さんならば目的は1つだとおわかりでしょうが(笑)
気になったものをいくつかピックアップ!

ちなみに家族も私も全く茶の湯に親しみもなく詳しくもなく、国宝やら重文やらに指定されているものがあっても、終始「何がいいのかはわからん」と言いながら観て回っていましたww

「黒楽茶碗 銘 ムキ栗」

長次郎作の黒楽茶碗。
銘のとおり、マットだけどつるっとした質感で、まさに「むき栗」っぽさがある!
さらに絶対使いにくいと思うのだけど(ww)四角い形!
今回一番面白いなぁと思ったものでした。

「観音・龍虎図」

愛知の妙興寺のもの。虎の顔と表情がなんともおとぼけ感があって可愛らしい。

「花鳥文堆黒長方盆 」「孔雀牡丹文堆朱盆」「斗牛文堆黒小香合」「屈輪文堆黒小香合」「鳳凰牡丹文堆朱香合」

南宋〜元〜明時代の中国のもの。これらがめちゃくちゃ良かった・・・!
黒漆や朱漆を厚く塗り重ねた後に、文様を彫ってつくるらしい堆黒と堆朱の盆や香合。
これホント素敵だったなぁ。

「茉利花図」「林檎花図」

趙昌作と伝わるもの。
うちわ?っぽい形の紙に描かれてて、それを掛け軸に貼り付けている。可愛い。

「猿図」

毛松作と伝わるもの。
めちゃくちゃニホンザルって感じだった!尾が長くなさそうだったし、アカゲザルではなさそう。
でも中国の人が描いているものなので、ニホンザルではないのかな・・・?

青磁茶碗 銘 馬蝗絆」

これ、初めて知ったのですが、すげぇ来歴ですよねwww
ひび割れを鎹で止めるって何事www
これが今でも伝わって残ってきているのも凄いよなぁw

「耀変天目」

MIHO MUSEUMのもの。
やっぱり耀変天目は宇宙っぽさがありますよねぇ。不思議な色。
有名なのは国宝の曜変天目静嘉堂文庫さんのやつとか大徳寺龍光院のやつとか。龍光院のは前期の一時期展示されていたようです)でしょうが、あれらほどどぎつく(?)はなく、良い感じの煌びやかさがあるなと思いました。

「玳玻天目」

相国寺のもの。内側は花模様、外側が玳玻模様で、けっこう印象が違う。
玳玻模様のきらめきが面白い。

「吉野花見図屛風」

細見美術館のもの。
たしか秀吉の吉野の花見って、幽斎さんも参加してたやつだよな??
ってなって、必死に幽斎さんがいないかを探したりした細川オタクは私です(笑)

「鼠志野茶碗 銘 峯紅葉」

五島美術館のもの。不思議な色合い。うっすらと赤みがあってなんかいい。

「伊賀塁座水指 銘 破袋」

わざとなの!?そこが割れているのは!??
ってなったww

今回の目的のブツは・・・

で、ハイ!今回の主目的はもちろんアレです!!!

「大井戸茶碗 銘 筒井筒」

そうです、筒井筒です!!!!!!!!!!!
秀吉の前で近習がやらかして茶碗を割ってしまったが、我らが細川幽斎が当意即妙な歌を詠んで場をとりなしたって例のアレ!
詳しくはこちらなどをご覧ください〜
いやぁぁぁ、思ったよりデカかった!!
こんなに大きい茶碗やったんすねぇ。
展示キャプションを読んだ後にブツを観た家族が「確かに胴体部分と比べると、高台が小さい気がする・・・バランスは悪そうだから倒れる可能性は高そう・・・」と言ってて、確かに!となりましたわぁ。
秀吉の前で緊張していた小姓の手が震えていたりしたら、然もありなんって感じかも。
実物をみてみると気付くことってあるもんですよね。

あと、今回知ってビックリしたのは、この筒井筒が個人蔵だったってことですよ・・・!
うへぇぇ!すげぇものをお持ちで・・・
大切なお宝を外に出してくださって、我々も観られるような機会をつくってくださってありがたいなぁ・・・

と、いうことで展覧会の感想はこれにて終了!

1時間半〜2時間くらいで観終わるかなぁと思っていたのですが、平日のわりに来館者がそこそこいたことと、ボリュームが凄すぎて2時間半くらいかかったよねww
半分をすぎる前から、既に家族は息切れをしてしまいテンションが下がっていたくらいでしたwww

展示全体を通して千利休はもちろん、古田織部やら小堀遠州やらが出てくる度に頭の中でチラつくのはもちろん忠興だったわけなんですけども(ブレない細川オタク)
彼らと比べると、忠興は決して茶の湯のみを軸として生きている人ではなかったわけで、こういう「茶の湯文化」全体を通じた展示ではピックアップされないわけなんですけど。
だからこそ、細川家関係や松井家関係の展覧会などで、茶の湯に対してめちゃくちゃ欲深い忠興がかいまみえるのが面白いなぁとww
それで身を立てているわけではないからこそ、より純粋に利休のことを慕っていたり、より純粋にいい茶器を欲しがったり、自分が信じる茶の湯を行っていたんだろうなぁ忠興(最後は細川に持っていくパターン)