細き川に溺れたい

   Volo equitare in unda FOSOCAUA... 細川家に関する独り言を綴るだけ

古今若衆序の作者は細川幽斎、それとも英甫永雄!? / 論文紹介


舞鶴市近郊の地方史会誌の論文をご紹介。
会誌の詳細は以下より「会誌」のところをクリック!↓
舞鶴地方史研究会

(こういう在野の郷土史研究者によるものも、論文って言っていいのかな・・・その辺の事情がよくわからず、ひとまず論文とさせていただいています)

加藤晃, 「古今若衆序」の作者は誰か, 舞鶴地方史研究, 29, 11-13, 1996

コレ!!!!!!!!笑
まさかこんな論題で発表されている論文があるなんて!!!!!!笑笑

細川家オタクならご存知?「古今若衆序」

とんでもないパロディ作品として、とある筋(?)では有名な「古今若衆序」ww
そう、「古今和歌集序」を文字って、男色について書かれたものなんですよねwww

で、この作者は一説によると我らが文芸のデパート「細川幽斎」、他方の説では近世狂歌の祖「英甫永雄」、と言われているのですよ!!
まぁつまり、どちらせよ細川家界隈の人物ってことですwwwwww
(彼らは叔父・甥の関係。幽斎さんの姉と言われる宮川尼が英甫の母)


早速結論を言っちゃいますが、古今若衆序で使われている言葉や表現などを、両名の他の作品と比較検討すると、
作者は英甫永雄であろう
と著者は結論付けています。

うん、私もそう思うな!!!!!笑

というのも、以前アップした英甫の記事でも触れましたが、彼には艶詩を送るような年下の禅僧とのロマンス(?)があったようですし、なんてったって狂歌に優れた人物。

幽斎さんの方はどちらかといえば、知識を駆使して、ユーモアを持った本歌取り的な作品は多いですけど、ある種のお下品で露悪的な表現ってそこまで多くはない気がする。
(あ、ないとは言いませんよ、ええwww従弟の吉田兼見におくったきのこの歌とかなwww)

五山の威厳に陰りが見え始め、実家も没落しつつあった、そういう時期を経験している英甫の方が、こういう尖った作品をつくるんじゃないかと個人的には思うのですよね。

というか、幽斎さん説も一定以上の信憑性があるのだとしたら、もしかしたら英甫発案で、幽斎さんも悪ノリして一緒につくったということはありうるかもしれない!?笑
それはそれで大変興味深くて面白いので、この説でもいいなぁ!!笑


しかし、けっこうお下品というか、著者からも「ス〇トロの要素もあり」みたいなこと書かれてて、内容としては本当にエグイんだろうなww


もし古今若衆序の本文が気になるって方は、↓に載っていますよww

狂歌大観 第1巻 本篇, 狂歌大観刊行会/編

この本では、所蔵が「宮内庁書陵部 桂宮本」となっているんですが・・・え?
この内容を、智仁親王も、読んだのか・・・・?wwwwww
そして現代まで受け継がれっちゃってるのか・・・?wwwww
面白すぎるやんwwwwww

あ、あと成立や著者についても備考に載っていました。

本書の成立は文中に見える「天正十七年十月初の四日」のやや後と考えられる。作者は不詳であるが、古くから細川幽斎作とされており、一方『墨海山筆』所収「古今若衆序」の識語に見えるように雄長老作とする説がある。なお、合綴の「詠百首狂歌」の書写は同筆。江戸中期頃の写と見られる。

ふむふむ、”古くから”幽斎さん作とされていたのかwwww
確かに所蔵が桂宮とのことですから、早い段階で智仁親王が所有していたのだとしたら、幽斎さんが作者と思われやすい土壌があったと言えそう?笑
合綴となっている「詠百首狂歌」は雄長老作のものらしいので、「英甫が作者だろ?」とは思っていたっぽいけどもww

いやぁ、笑わせてくれるよねぇ細川関係者!笑